国や自治体による障害者手帳は、「身体障害者手帳」、「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」、の3種類があります。
障害者の方々を支援するための様々な福祉サービスを利用するためには、これらの「障害者手帳」が必要になります。
障害の認定は、それぞれの規定する基準にもとづき医師の作成した診断書等により診査され、認定された場合に障害者手帳の交付が行われます。

身体障害者手帳

身体障害者手帳の交付

身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づいて交付されるもので、各種の福祉サービスを受けるために必要となるものです。

身体障害者手帳は、以下の障害のある方に交付されます。
●視覚障害
●聴覚又は平衡機能の障害
●音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
●肢体不自由
●心臓、じん臓又は呼吸器の機能障害
●ぼうこう又は直腸の機能の障害
●小腸の機能の障害
●ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害
●肝臓の機能の障害
(いずれも一定以上で永続することが要件とされています。)

手帳の交付される対象となる障害の範囲は、身体障害者福祉法別表に定められています。
また、障害等級は身体障害者障害程度等級表により1級から7級までの区分されています。(なお、7級の障害が一つのみでは手帳の対象にはなりません。)


身体障害者手帳の優遇措置

いろいろな割引サービスや税金の控除などが利用できます。
・JR、バス、航空の旅客運賃割引
・有料道路の通行料金の割引
・博物館や美術館など施設の利用割引
・所得税、住民税、相続税の控除
・身体障害者用物品の非課税(消費税)
・自動車税、軽自動車税、自動車取得税の減免
など。


精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳の交付

精神疾患を有する方で、精神障害のため長期にわたり日常生活や社会生活に制約のある方に交付されます。
手帳の等級は1級から3級までに区分されています。
また、自立支援医療費の申請(医療費自己負担3割が1割に軽減される)を同時に行うことができます。

精神障害者保健福祉手帳の優遇措置

・税金の控除や減免などがあります
・所得税、住民税、相続税の控除。
・個人事業税減免、自動車税、軽自動車税の減免。
・自立支援医療費給付手続きの簡素化。
・生活保護の障害者加算の手続きの簡素化。
など


療育手帳

療育手帳の交付

療育手帳は、知的障害者(児)に対して、援助を行うとともに、福祉の増進に資することを目的に交付されています。各自治体ごとに規定を設け実施されています。
北海道では、障害の程度は、軽度、中度、重度、最重度と4段階とされており、手帳はA(重度・最重度)とB(軽度・中度)に区分されています。


療育手帳の優遇措置

税金の控除などのほか各自治体ごとに独自サービスもあります。
・各種手当の支給
・税金の控除
・医療費の助成
・公共料金の割引
など



障害者手帳の申請手続き

障害者手帳の申請については、通常お住まいの市区町村役場の福祉課等が窓口になっていますのでこちらで手続を行います。

なお、藤井法務事務所では障害者手帳の申請についても代行を承っておりますので、病気療養等でご自身で動くことができないときはお気軽にお申し付けください。